Vol.324 2021.3.23

音楽・美術の旅 メールニュース
 
Column

コロナ去ったら巡りたい真新しいイタリア その3

ひとり旅、家族旅行の延長線上に、客人を伴う旅がある。

それがとりたてて自分の趣向に異なることはないのであるが、ただ個人的な旅行と比べるとすべて気まぐれというわけにいかない。綿密にとは言わなくとも大方のアウトラインを引いておくことが円滑な旅に繋がってくる。使える時間や金銭的なバジェットはともかく、すべてを任せていただいたとしても、客人の求めるイタリアを事前に引き出してあげなければならない。そこが何より難しいところではないだろうか。

アテンドを依頼してくる客人は、おおよそわたしと旅をしてきた客人の紹介によるところが多い。“よい旅であった”と喜んでいただけたことが、その仲間たちに伝わりありがたくも広がってきた。

わたしの生業が旅のアテンダーではないこともあり、もちろん実現の時間は限られてしまう。業務上、日本で動くことが主になるからである。そういうこともあり、客人との打ち合わせはおよそ1年を要する。まずは互いのタイミングを整えて、その中で依頼者のニーズに応えられるようプランを構築していくのである。

旅に乗ってくださった客人が口を揃えることは、スタート地点からゴールまで自由に動ける優位性であるという。そりゃそうだろう。わたしの運転でイタリアを巡るわけである。今日はフィレンツェを出発してシエナ経由、南トスカーナの丘陵地で宿泊と大まかなラインを決めてあって、客人が突然ガイドブック片手に“このサン・ジミニャーノも素敵なところ”と言いだせば、“じゃ寄ってきましょうよ!”といとも簡単にプラン外を差し込むこともできるのである。いや、なんだかんだ言ってもそれが一番の売りであろう。トスカーナを周りながら、“アドリア海に出ることは容易ではないし、そういうことをリクエストする客人もまたいない。できることを臨機応変にやって行くということが客人後々の思い出に繋がるのである。

このようなことをやりながら、このところコースのマンネリ化を危惧している。わたし自身の気に入っているところにお連れしたいのは当然のことで、たしかに客人にも喜んでいただいている。しかし、まだまだ多くあるであろうイタリアの魅力を訪ね知ることも責務と、とくにこのコロナ禍において感じているのである。

欧州には時代の歴史を感じさせる要塞がいくつもある。イタリアも例外ではなく美しい丘陵の町、壁に囲まれた小国と宝がいたるところに転がっている。

いままだ足を踏み入れてないイタリアの秘境にとにかく出掛けてみたい。1年以上動くことのできなかった鬱憤を感動に換えていきたい。

堂満尚樹(音楽ライター)
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